まだ猛暑の気配が残る9月の半ば、山梨県笛吹市にあるワイナリー ルミエールさんで、マスカットベリーAを使った仕込み体験ができるというので、ワクワクしながら行って来ました。
ルミエールさんは、1885年からワイン造りを続けている伝統あるワイナリーです。
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おまけにこの日は、仕込みの最初の日。大切に育ててきたブドウ達が素敵なワインになりますように、そして事故もなく無事に作業ができますようにという気持ちを「神事」に託します。こんな場面に立ち会える事は滅多にありません。こちらまで気持ちが引き締まりました。
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さて、この日仕込むのは、今年のマスカットベリーAですが、この仕込み方がルミエールさんならではの方法です。
というのは、ルミエールさんは1901年に神谷伝兵衛の指導を受けて日本初のヨーロッパ型横蔵式半地下貯蔵庫、地下発酵槽(長いので略して石蔵発酵槽)を構築し、当時は通常の仕込み方法だったこの石蔵での仕込みを1998年に再びスタートさせました。
何とこの石蔵は国の大切な文化財として「登録有形文化財」に指定されているんですよ。この貴重な石蔵での仕込みを素人の私にも体験させて頂けるなんて、なんと懐の深いルミエールさんでしょう!
この石蔵で仕込んだワインは通常の醸造法のワインに比べ、香りも味わいもやや重厚な感じとなり、アルコールも高めになるとか・・・何故でしょうか?御影石による保温効果?果帽を押さえつけるのに使用する竹製すのこのせい?・・まだ明快な答えのないこの問題は、どうぞ皆様が実際に飲んで、昔の人達の思いに心を馳せる事で見えてくるかもしれません。
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まずは、ぶどうを破砕します。
やっぱりへっぴり腰ですが(笑)とにかく重いんです。バスケットが。
この程度でワイン造りの大変さを感じた、などと言ってはあまりにワイナリーの皆さんに失礼ですが、本当に次の日肩が痛かったです〜
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果梗を付けたまま果皮、果肉、果汁を石蔵内に注ぎいれ、一旦果汁は石蔵下部にある穴から抜き取ります。
果皮、果肉を抑える為の竹製すのこを敷いて、再度果汁を注ぎいれます。
石蔵の下に流れる地下水が天然の冷却を行い、健全な醸し発酵を行う事ができるという、まさに「自然の恵みを活かした古人の知恵」ですね。
発酵終了後、ワインを抜き取り、すのこを撤収し、圧搾機にかけて得たプレスワインは貯蔵タンクで約6ヶ月熟成させて、澱引き、濾過して瓶詰め、ラベルを貼って、さあその名も素敵な「
石蔵和飲」の誕生です!是非、皆様お試しを!
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さて、仕込み体験の後は、裏手にある自社畑を案内していただきました。
ルミエールさんの特徴は化学合成農薬や化学肥料を使わない独自の自然農法。
耕さないから土の上には自然に様々な草が生え、自然に枯れた草は次々に土の上に層をつくり自然の循環が繰り返されます。
そしてこの営みの中から生まれる生物の「多様性」こそが、農業を少しでも自然に近づけるアプローチであると栽培・醸造責任者の小山田幸紀さんは語ります。
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ふかふかの土を踏んで、再びワイナリーに戻れば、今度は仕込みのご褒美、おいしいランチです。
ルミエールさんでは今年8月に樹齢900年の「ケヤキ」の下にレストラン「ゼルコバ」をオープンさせました。その土地の旬の食材をふんだんに使ったお料理とルミエールのワインのマリアージュは至福の時間です。
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ダンディな社長の乾杯で次々と供される素晴らしいお料理は綺麗な奥様のプロデュース。腕の確かな料理長の技が光ります。
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満足、満腹のあとは、センスあるショップでお買い物。
国産ワインコンクールでも、海外のコンクールでも数々の優秀な成績を収めたルミエールのワインは、選ぶのに苦労します。ハイ、結局宅急便で送らなくてはいけないほど買ってしまいました。
こうして、人生初の「仕込み体験」は、きっと、ワイナリーの皆さんにとっては全然貢献できていなかったと思うけれど、私にとっては貴重な、忘れられない体験となりました。
皆さんも、こういう体験、してみませんか?
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本日のワイナリーについてはこちらから。お買い物もできますよ。 |